[税金]所得税法・法人税法等

サラリーマンから個人事業主・会社まで所得税・法人税等の確定申告の便覧に。税務ハンドブックとして税金対策にも役立ちます。


配当所得の具体例―株式の配当―課税関係②―確定申告不要の源泉分離課税


株式の配当の課関係―確定申告不要の源泉分離課税

概要・概略・全体像

株式の配当金は、配当所得として、所得税がかかります。

ただし、株式の配当金の場合は、株式市場の活発化を目的として、租税特別措置法により期間限定でかなり優遇されています。

すなわち、株式の配当金については、課税方法・納方法を次の3つの中から選択できるようになっています。

  1. 総合課税確定申告
  2. 確定申告不要(実質的に源泉分離課税
  3. 申告分離課税確定申告

配当所得の具体例―株式の配当

上記3つの方法のうち、受け取る配当金額に応じて、どれが一番得になるのかを計算することが大切です。

このページでは、源泉分離課税を選択した場合の課・納関係についてまとめてみます。

なお、税率などの取扱いは、上場株式と非上場株式などで大きく異なりますが、通常は、上場株式を所有していることが多いと思います。

1.課税方法

源泉分離課税とは

株式配当金を受け取った時点で、すでに税金は天引きされています。

そして、これで納は完結しているので、配当金額がどんなに多くても、その後は確定申告をする必要はありません。

このように、他の所得と分離して源泉徴収され、それだけで納が完結する課税方法源泉分離課税といいます。

通常は、この源泉分離課税によるのが一般的です。

経緯・沿革・歴史など
2003年3月まで

2003年3月末までは、上場株式・非上場株式を問わず、その配当金のうち源泉分離課税によることができたのは、1銘柄年間10万円(中間配当がある場合には1回5万円)以下の場合に限られていました。

2003年4月以降

2003年4月以降は、上場株式の配当金については、源泉分離課税によることができる金額の上限が撤廃され、配当金がいくらあっても、その受け取り時に一律に源泉徴収されることで課が終了するようになりました。

2.税額の計算方法

源泉分離課税では、額は次のようにして計算します。

上場株式の場合

源泉徴収税額は一律に15% = 所得税10% + 住民税5%

上場株式を所有している人は、税率が15%と低く抑えられていますので、他に所得がない人は別にして、この源泉分離課税の方法(確定申告の対象にはしない)を選択したほうが有利になることがほとんどです。

非上場株式の場合

源泉徴収税額は一律に20% = 所得税15% + 住民税5%

3.納方法

上場株式の場合

上場株式の場合は、源泉徴収だけで、課関係・納関係は終了していますので、確定申告は不要です(しないことができます)。

非上場株式の場合

非上場株式の場合は、1銘柄年間10万円(中間配当がある場合には1回5万円)を超える配当については、確定申告で清算します。



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  1. 配当所得の定義―通常の配当所得
  2. 配当所得の定義 ―みなし配当
  3. 配当所得の範囲
  4. 配当所得の金額
  5. 配当所得の課税関係(課税方法・税額の計算方法・納税方法)
  6. 配当所得の課税関係(課税方法・税額の計算方法・納税方法)―原則―総合課税で確定申告
  7. 配当所得の課税関係(課税方法・税額の計算方法・納税方法)―例外―確定申告不要(実質的な源泉分離課税)
  8. 配当所得の課税関係(課税方法・税額の計算方法・納税方法)―例外―申告分離課税
  9. 配当所得の課税関係(課税方法・税額の計算方法・納税方法)―例外―源泉分離課税
  10. 配当所得の具体例―株式の配当
  11. 配当所得の具体例―株式の配当―課税関係①―総合課税で確定申告
  12. 配当所得の具体例―株式の配当―課税関係②―確定申告不要の源泉分離課税
  13. 配当所得の具体例―株式の配当―課税関係③―申告分離課税で確定申告

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