[税金]所得税法・法人税法等

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減価償却―対象―減価償却資産―範囲・具体例―資本的支出と収益的支出(修繕費)―資本的支出


資本的支出とは 【capital expenditure

資本的支出の定義・意味など

資本的支出(しほんてきししゅつ)とは、固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、当該固定資産の価値を増加し、またはその使用可能期間を延長するものと認められる部分に対応する金額をいう。

  1. 固定資産の価値を増加させる支出
  2. 固定資産の使用可能期間(耐用年数)を延長させる支出

所得税基本通達
(資本的支出の例示)
37-10 業務の用に供されている固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額が資本的支出となる…

法人税基本通達
(資本的支出の例示)
7-8-1 法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額が資本的支出となる…

資本的支出の具体例

実務では、資本的支出の具体例として以下のものが掲げられている。

  • 建物の避難階段の取付け等物理的に付加した部分に係る金額
  • 用途変更のための模様替え等改造又は改装に直接要した金額
  • 機械の部分品を特に品質または性能の高いものに取り替えた場合のその取替えに要した金額のうち通常の取替えの場合にその取替えに要すると認められる金額を超える部分の金額

ただし、建物の増築、構築物の拡張、延長等は資本的支出としてではなく、建物の取得として扱われる。

所得税基本通達
(資本的支出の例示)
37-10 …例えば、次に掲げるような金額は、原則として資本的支出に該当する。
(1) 建物の避難階段の取付け等物理的に付加した部分に係る金額
(2) 用途変更のための模様替え等改造又は改装に直接要した金額
(3) 機械の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り替えた場合のその取替えに要した金額のうち通常の取替えの場合にその取替えに要すると認められる金額を超える部分の金額
(注) 建物の増築、構築物の拡張、延長等は建物等の取得に当たる。

法人税基本通達
(資本的支出の例示)
7-8-1 …例えば次に掲げるような金額は、原則として資本的支出に該当する。
(1) 建物の避難階段の取付等物理的に付加した部分に係る費用の額
(2) 用途変更のための模様替え等改造又は改装に直接要した費用の額
(3) 機械の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り替えた場合のその取替えに要した費用の額のうち通常の取替えの場合にその取替えに要すると認められる費用の額を超える部分の金額
(注) 建物の増築、構築物の拡張、延長等は建物等の取得に当たる。

資本的支出の位置づけ・体系(上位概念等)

務会計

資本的支出は務会計上の概念である。

固定資産の修繕のための支出は、資本的支出と収益的支出修繕費)とに分類され、それぞれ務上の取り扱いが異なるために会計処理も異なるので、その区別が必要になる。

なお、資本的支出と収益的支出の区別基準については次のページを参照。

修繕費―資本的支出と収益的支出―区別基準

資本的支出の額の計算方法

資本的支出は、次の金額のうち、いずれか多い金額となる。

  1. 資産の価額を増加させる部分に対応する金額
  2. 資産の使用可能期間を延長させる部分に対応する金額

所得税法施行令
(資本的支出)
第百八十一条  不動産所得事業所得山林所得又は雑所得を生ずべき業務を行なう居住者が、修理、改良その他いずれの名義をもつてするかを問わず、その業務の用に供する固定資産について支出する金額で次に掲げる金額に該当するもの(そのいずれにも該当する場合には、いずれか多い金額)は、…。
 当該支出する金額のうち、その支出により、当該資産の取得の時において当該資産につき通常の管理又は修理をするものとした場合に予測される当該資産の使用可能期間を延長させる部分に対応する金額
 当該支出する金額のうち、その支出により、当該資産の取得の時において当該資産につき通常の管理又は修理をするものとした場合に予測されるその支出の時における当該資産の価額を増加させる部分に対応する金額

1.資産の価額を増加させる部分に対応する金額

「資産の価額を増加させる部分に対応する金額」は、次の計算式により、算定・算出をする。

資産の価額を増加させる部分に対応する金額 = 支出直後の価額 - 支出直前の価格

2.資産の使用可能期間を延長させる部分に対応する金額

「資産の使用可能期間を延長させる部分に対応する金額」は、次の計算式により、算定・算出をする。

資産の使用可能期間を延長させる部分に対応する金額 = 支出金額 ✕(支出直後の使用可能年数 - 支出直前の使用可能年数)/ 支出直後の使用可能年数



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