[税金]所得税法・法人税法等

サラリーマンから個人事業主・会社まで所得税・法人税等の確定申告の便覧に。税務ハンドブックとして税金対策にも役立ちます。


法人税額の計算方法―所得金額―②税務上の処理―申告調整―内容―損金―範囲―確定債務


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確定債務とは 【firm debt】

確定債務の定義・意味・意義

確定債務とは、一般に、支払い期日・期限、金額、相手方のすべてが確定しており、支払うべきことが確定しているが、まだ支払われていない債務をいう。

確定債務の趣旨・目的・役割・機能

債務確定主義

所得税法上または法人税法上は、債務確定主義、すなわち債務が確定していない限り、必要経費または損金に算入しないという原則が採用されている。

したがって、法上は、債務が確定しているか否かの判断が重要となってくる。

確定債務の範囲・具体例

確定債務の範囲
判断基準・判定基準

法上は、債務が確定しているとは、次の3つの条件をすべて満たしていることをいう。

  1. 債務の成立…期末までに支払義務が成立していること
  2. 具体的給付原因事実の発生…期末までに実際に発生している費用であること
  3. 金額の合理的算定可能性…金額を合理的に算定できること

所得税基本通達
必要経費に算入すべき費用の債務確定の判定)
37-2 法第37条の規定によりその年分の不動産所得の金額事業所得の金額山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入すべき償却費以外の費用で、その年において債務が確定しているものとは、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる要件の全てに該当するものとする。
(1) その年12月31日(年の中途において死亡し又は出国をした場合には、その死亡又は出国の時。以下この項において同じ。)までに当該費用に係る債務が成立していること。
(2) その年12月31日までに当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。
(3) その年12月31日までにその金額を合理的に算出することができるものであること。

基本通達・法人税法
(債務の確定の判定)
2-2-12 法第22条第3項第2号《損金の額に算入される販売費等》の償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務が確定しているものとは、別に定めるものを除き、次に掲げる要件の全てに該当するものとする。
(1) 当該事業年度終了の日までに当該費用に係る債務が成立していること。
(2) 当該事業年度終了の日までに当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。
(3) 当該事業年度終了の日までにその金額を合理的に算定することができるものであること。

確定債務の具体例

具体的には、次のような債務が確定債務にあたる。

  • 金融機関からの借入金
  • 営業取引による買掛金
  • 支払手形
  • 営業外取引により発生した未払い金
  • 預かり金

 

確定債務と関係・関連する概念

反対概念

確定債務の反対概念は不確定債務である。

不確定債務とは、支払い期日・期限、金額、相手方のいずれかが不確定の債務をいう。

よくあるのが支払期限が不確定な債務(これを不確定期限付債務という)である。

 

確定債務の務・法・制上の取り扱い

必要経費算入(所得税法上)・損金算入法人税法上)

法上、販売費及び一般管理費については、債務が確定していれば、期末までに支払っていなくても未払金等として経費にできる(必要経費算入・損金算入できる)ものとされている。

所得税法
必要経費
第三十七条  その年分の不動産所得の金額事業所得の金額又は雑所得の金額事業所得の金額及び雑所得の金額のうち山林の伐採又は譲渡に係るもの並びに雑所得の金額のうち第三十五条第三項(公的年金等の定義)に規定する公的年金等に係るものを除く。)の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。

法人税法
(各事業年度の所得の金額の計算)
第二十二条  …
 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
一  当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
二  前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
三  当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの



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