実質所得者課税の原則―「収益を享受する者」の判断基準
「収益を享受する者」の判断基準・判定基準・認定基準
実質所得者課税の原則は、課税対象である所得(正確には、所得の計算の基礎となる収益)の帰属、つまり、誰にその収益・所得が帰属するのか、に関する原則です。
ただし、条文上、収益はその法律上の単なる名義人ではなく、これを享受する者に帰属する、と規定されていますが、では「収益を享受する者」とは具体的には誰を指すのか、その判断基準については争いがあります。
学説・通説
学説上、次の2つの見解があります。
- 経済的帰属説…法律上の帰属と経済上の帰属が相違している場合には経済上の帰属で判断する
- 法律的帰属説…法律上の形式的な帰属(法律上の単なる名義人)と実質的な帰属(法律上の真実の権利者)が相違している場合には実質的な帰属で判断する
このうち経済的帰属説では法的安定性を害する(経済上の帰属の判断は非常に微妙である。租税法律主義に反する)という理由から法律的帰属説が通説となっています。
判例
判例も法律的帰属説の立場に立っています。
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