[税金]所得税法・法人税法等

サラリーマンから個人事業主・会社まで所得税・法人税等の確定申告の便覧に。税務ハンドブックとして税金対策にも役立ちます。


必要経費―引当金―貸倒引当金―貸倒引当金繰入限度額―一括評価―貸倒実績率


貸倒実績率とは

貸倒実績率の定義・意味など

貸倒実績率(かしだおれじっせきりつ)とは、過去3年間の貸倒損失の実績発生率をいう(法人税法施行令96条6項)。

法人税法施行令
貸倒引当金勘定への繰入限度額)
第九十六条  …
 法第五十二条第二項 に規定する政令で定めるところにより計算した金額は、同項 の内国法人の当該事業年度終了の時において有する一括評価金銭債権(同項 に規定する一括評価金銭債権をいう。以下この項において同じ。)の帳簿価額の合計額に貸倒実績率(第一号に掲げる金額のうちに第二号に掲げる金額の占める割合(当該割合に小数点以下四位未満の端数があるときは、これを切り上げる。)をいう。)を乗じて計算した金額とする。

貸倒実績率の計算方法

貸倒実績率は次の計算式により算定・算出される。

貸倒実績率 = 過去3年間の貸倒損失額の年平均額 / 過去3年間の一括評価金銭債権の帳簿価額の年平均額

詳しくは次のとおり。

貸倒実績率={貸倒実績(貸倒損失額) ✕(12/当該事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度の月数の合計数)}/(当該事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度終了時の一括評価金銭債権の帳簿価額の合計額/各事業年度の数)

貸倒実績=当該事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度中の貸倒損失の額+個別評価分の引当金繰入額-前年度の個別評価分の引当金戻入額

貸倒実績率の位置づけ・体系(上位概念等)

貸倒引当金の繰入限度額の計算方法

法人税法上、一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入限度額を計算するには、原則として貸倒実績率を使用するものとされている(法人税法施行令96条6項)。

すなわち、一括評価による貸倒引当金の繰入限度額は次の計算式により算定・算出する。

貸倒引当金の繰入限度額 = 年末における一括評価金銭債権の帳簿価額の合計額 ✕ 貸倒実績率

ただし、資本金1億円以下の中小企業等では、特例により、貸倒実績率と業種(5業種)の区分に応じた一定の割合である法定繰入率との選択適用が認められている(有利なほう、つまり繰入限度額が多いほうを選択できる)(租税特別措置法57条の9)。

また、所得税法では、法定繰入率より大まかな区分で繰入率(金融業以外は5.5%、金融業は3.3%)が定められている。

貸倒引当金の繰入限度額 = 年末における一括評価金銭債権の帳簿価額の合計額 ✕ 法定繰入率(たとえば、卸売業・小売業は1%など)



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