[税金]所得税法・法人税法等

サラリーマンから個人事業主・会社まで所得税・法人税等の確定申告の便覧に。税務ハンドブックとして税金対策にも役立ちます。


売上原価―①計算方法―棚卸資産の取得価額の計算方法


事業所得の計算上必要経費に算入する売上原価は、期首(年初)と期末(年末)のそれぞれの棚卸資産(商品)の価額とその期中(年中)の仕入金額に基づいて、次の算式で算出しました。

その年中の売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸

必要経費―売上原価―計算方法

このうち、当期の商品仕入高を算出するにあたっては、 棚卸資産の取得価額の計算方法が問題となります。

この点、棚卸資産の取得価額は、販売業の場合と製造業の場合とを区分して、それぞれ次のように計算します。

購入した棚卸資産の取得価額の計算方法(販売業の場合)

原則

購入した棚卸資産の取得価額の計算方法は、次のとおりです。

購入した棚卸資産の取得価額=購入代価+付随費用

付随費用

付随費用とは、その資産を販売の用に供するために直接要したすべての費用の額をいいます。

付随費用には、直接付随費用と間接付随費用とがあります。

直接付随費用

直接付随費用とは、購入に要した引取費用のことで、具体的には次のようなものをいいます。

  • 引取運賃
  • 荷役費
  • 運送保険料
  • 購入手数料
  • など

間接付随費用

間接付随費用には、次のようなものがあります。

  1. 買入事務、検収、整理、選別、手入れなどに要した費用
  2. 棚卸資産の移管費用(運賃、荷造費など)
  3. 棚卸資産の保管費用(貯蔵費、保管費など)

その他、例えば、棚卸資産の購入のために要した借入金などの利子も、付随費用として、取得価額に算入することができます。

例外

上記のとおり、付随費用は取得価額に含めるのが原則です。

しかし、間接付随費用で、その合計額が少額(購入代価の3%程度以内の金額)なものについては、取得価額に加算しないことができるとされています。

製造等による棚卸資産の取得価額の計算方法(製造業の場合)

原則

製造等による棚卸資産の取得価額の計算方法は、次のとおりです。

製造等による棚卸資産の取得価額=資産の製造等のために要した原材料費・労務費・経費の額+付随費用

例外

購入した棚卸資産の場合と同様、所定の少額な間接付随費用については取得価額に加算しないことができるとされています。



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