法人税額の計算方法―所得金額―②税務上の処理―申告調整―内容―損金
損金とは
損金の定義・意味・意義
損金(そんきん)とは、法人税法特有の用語で、法人税法上の課税所得を算出するために、会計上(決算書上)の費用をベースにしながらも、これに所定の調整(=申告調整)を加えたものをいう。
損金の位置づけ・体系
法人税の課税対象となる所得金額の算出
法人税は、所得税に比較すると、かなりシンプルな体系・仕組みになっている。
すなわち、法人税額は、次の計算式で算定・算出される。
そして、上記計算式中の所得金額は、損金と同じく会計上の収益をベースにしながら、これに法人税法特有の調整を加えた益金から、損金を差し引くことで算定・算出される。
つまり、益金から損金を差し引くことで、法人税の課税対象となる所得金額=課税所得が算出される。
法人税法
(各事業年度の所得の金額の計算)
第二十二条 内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。
損金の範囲
損金の算定・算出・計算方法
損金は、次の計算式で算定・算出する。
損金 = 会計上の費用 + 申告調整(損金算入-損金不算入)
損金の趣旨・目的・機能・役割
税法上の収益・費用は、会計上の収益・費用と必ずしも一致するとは限らない。
なぜならば、収益・費用が表される決算書(正確には、会社法上の計算書類)は、本来、投資家・債権者などの利害関係者に企業の財政状態と経営成績を報告する ことを目的とした報告書であり、課税の公平などの観点からは、これをそのまま税務上も用いるのは妥当ではないからである。
したがって、会計上は費用となるものであっても、税法上では費用と認められないものがある。
反対に、会計上は費用として認められないものであっても、税法上は費用となるものもある。
また、収益の場合も同様である。
そこで、法人税法上の収益・費用を会計上の収益・費用と区別して、それぞれ益金・損金と呼んでいる。
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