[税金]所得税法・法人税法等

サラリーマンから個人事業主・会社まで所得税・法人税等の確定申告の便覧に。税務ハンドブックとして税金対策にも役立ちます。


損失による分類―純損失―救済


純損失の救済制度

額を算定するために必要となる所得計算は一定期間に区切ることではじめて可能となります。

したがって、期間計算主義法上の原則とされています。

しかし、この原則を厳格につらぬくと、徴の不合理と負担の不公平をまねく場合があります。

純損失の発生もそのひとつです。

そこで、所得税法上、期間計算主義の例外として純損失を救済するための制度が設けられています。

純損失の救済制度の内容―繰越控除繰戻還付

期間計算主義の考え方にもとづき通常は1年で所得計算を行いますが、この「1年」自体には理論的な根拠はありません。

したがって、合計所得金額がプラスになれば課税対象となるのに、マイナスになればこれをすべて無視するというのは妥当とはいえません。

そこで、純損失の金額については、所得税法上、期間計算主義の例外として、所定の要件のもとに「1年」という制限をなくして損失の計算を行うことが認められています。

そのための制度が次の2つです。

  1. 純損失の繰越控除…翌年以降3年間の繰越控除
  2. 純損失の繰戻還付…前年分の所得税繰戻還付

このいずれかを選択することができます。

1.純損失の繰越控除

次のページを参照してください。

繰越控除の種類―所得税法上の制度―純損失の控除方法①―純損失の繰越控除

 

2.純損失の繰戻還付

次のページを参照してください。

繰越控除の種類―所得税法上の制度―純損失の控除方法②―純損失の繰戻還付(繰戻しによる還付)

純損失の救済制度の位置づけ・体系

所得計算上の損失の救済

繰越控除繰戻還付の制度は、損益通算の制度とともに、所得計算上の損失を救済するための制度です。

すなわち、ある年に発生した所得計算上の損失は、まずその年に損益通算の制度により救済対象となります(現在)。

しかし、その損失の金額が大きすぎる場合は、損益通算をしてもその赤字はカバーできません。

そこで、次に、繰戻還付の制度により前年の所得と通算することで損益通算でもカバーできない損失=純損失をカバーします(過去)。

最後に、それでもカバーできない純損失は、繰越控除の制度により損失が発生した年の翌年以降3年間にわたって通算することでカバーできます(未来)。

結局、ある年に発生した所得計算上の損失は、最大で現在・過去・未来の5年間にわたって、通算によりカバーすることが可能になるということになります。



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  3. 損失による分類―純損失―救済
  4. 損失による分類―純損失―救済―所得税法上の取り扱い―①純損失の繰越控除
  5. 損失による分類―譲渡損失―救済―特例法上の制度―居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除
  6. 損失による分類―純損失―救済―所得税法上の取り扱い―①純損失の繰越控除―要件
  7. 損失による分類―純損失―救済―所得税法上の取り扱い―①純損失の繰越控除―効果
  8. 損失による分類―純損失―救済―所得税法上の取り扱い―②純損失の繰戻還付(繰戻しによる還付)
  9. 損失による分類―純損失―救済―所得税法上の取り扱い―②純損失の繰戻還付(繰戻しによる還付)―要件と効果
  10. 損失による分類―純損失―救済―所得税法上の取り扱い―②純損失の繰戻還付(繰戻しによる還付)―手続き
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