課税標準―所得税法上の課税標準―1 合計所得金額
合計所得金額とは
合計所得金額の定義・意味・意義
日本の所得税法では、所得は10種類に分類されている(所得分類)。
この10種の所得は総合課税の対象となる所得と分離課税の対象となる所得とに大別されるが、合計所得金額とは、この別にかかわらず、10種すべての所得金額の合計額(損益通算後※)をいう。
※損益通算の対象となる所得(不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得)については、損益通算後の金額を加算する。
ただし、繰越控除の適用がある場合には、その適用前の金額となる。
合計所得金額の位置づけ・体系(上位概念)
課税標準
合計所得金額は課税標準(所得税法)のひとつである。
税務上実際に用いられる課税標準としては、合計所得金額も含めて次の3つがある。
合計所得金額の趣旨・目的・役割・機能
税法
所得税
所得税においては、合計所得金額からさらに各種所得控除を差し引いて課税所得金額を算出し、これに税率を乗じて所得税額を算出される。
個人住民税
個人住民税においても、合計所得金額が住民税額を算出するうえで基となる金額となる。
すなわち、合計所得金額からさらに各種所得控除を差し引いた金額に税率(10%の定率。2014年時点)を乗じて個人住民税(所得割)額を算出する(→個人住民税の計算)。
ただし、個人住民税では、今年の所得金額ではなく、前年の所得金額にもとづき、そして、所得控除額も、給与所得控除や、雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除をのぞいて、所得税の場合とは異なる。
社会保険
介護保険
介護保険制度においても、65歳以上の第1号被保険者の保険料については、前年の合計所得金額に基づいて決定される。
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