[税金]所得税法・法人税法等

サラリーマンから個人事業主・会社まで所得税・法人税等の確定申告の便覧に。税務ハンドブックとして税金対策にも役立ちます。


損失による分類―純損失―救済―所得税法上の取り扱い―①純損失の繰越控除―要件


純損失の繰越控除の要件・条件

実質的要件

損益通算が認められている所得類型に関する損失であること

純損失の繰越控除損益通算を前提とした制度(損益通算の救済制度)ですので、同制度の適用により救済される損失は、当然に、損益通算によって損失を控除することが認められている次の4つの所得に関するものに限定されることになります。

  1. 不動産所得
  2. 事業所得
  3. 山林所得
  4. 譲渡所得

損益通算できる所得には制限がかけられていて、上記の4つの所得類型に限定されています。

手続的要件

純損失の繰越控除が認められるには、純損失の生じた年分の所得税について、確定申告書をその提出期限までに提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出していることが必要です。

所得税法
純損失の繰越控除
第七十条  ...
 第一項又は第二項の規定は、これらの規定に規定する居住者純損失の金額が生じた年分の所得税につき確定申告書を提出し、かつ、それぞれその後において連続して確定申告書を提出している場合に限り、適用する。

1.来年以降に繰越控除できる純損失確定申告書を提出した年に生じたものであること

まず、来年以降に繰越控除できる純損失は、確定申告書を提出した年に生じたものであることが必要です。 

この要件は、いわば出自のはっきりした「由緒正しい損失」であることを要求したものです。

佐藤英明 『スタンダード所得税法 補正板』 弘文堂、2010年、286頁。

2.連続して確定申告書を提出していること

次に、純損失が生じた年以降、連続して確定申告書を提出していることが必要です。

これは、繰越控除を二重控除や控除漏れがないように、毎年、正確に行うために必要な要件であると考えられます。

佐藤英明 『スタンダード所得税法 補正板』 弘文堂、2010年、286頁。



現在のページのサイトにおける位置づけ

現在のページが属するカテゴリ内のページ一覧[全 13 ページ]

  1. 繰越控除(損失の繰越控除)
  2. 損失による分類―純損失
  3. 損失による分類―純損失―救済
  4. 損失による分類―純損失―救済―所得税法上の取り扱い―①純損失の繰越控除
  5. 損失による分類―譲渡損失―救済―特例法上の制度―居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除
  6. 損失による分類―純損失―救済―所得税法上の取り扱い―①純損失の繰越控除―要件
  7. 損失による分類―純損失―救済―所得税法上の取り扱い―①純損失の繰越控除―効果
  8. 損失による分類―純損失―救済―所得税法上の取り扱い―②純損失の繰戻還付(繰戻しによる還付)
  9. 損失による分類―純損失―救済―所得税法上の取り扱い―②純損失の繰戻還付(繰戻しによる還付)―要件と効果
  10. 損失による分類―純損失―救済―所得税法上の取り扱い―②純損失の繰戻還付(繰戻しによる還付)―手続き
  11. 損失による分類―雑損失
  12. 損失による分類―雑損失―救済―所得税法上の取り扱い―雑損失の繰越控除
  13. 損失による分類―譲渡損失―救済―特例法上の制度―特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除

現在のページが属するカテゴリのサイトにおける位置づけ



プライバシーポリシー