所得金額―所得の年度帰属―収入の帰属時期
収入の帰属時期
はじめに
累進課税制度のもとでは、ある所得金額がどの年度に帰属するのかにより納付税額に大きな違いが生じます。
この問題を所得の年度帰属といいます。
ところで、所得税法では、所得金額は、原則として、収入から費用を差し引いて計算します。
そのため、所得の年度帰属の問題は、具体的には、収入と費用の両方について、それぞれ「どの年の収入か」、「どの年の費用か」というかたちで現れます。
- 収入の帰属時期…どの年の収入か
- 費用の帰属時期…どの年の費用か
このページでは、このうち収入の帰属時期の問題についてまとめています。
収入の帰属時期に関する2つの考え方
収入の帰属時期(収入の時期、あるいは収入時期)に関する考え方には、大別すると、次の2つの考え方があります。
1.発生主義
発生主義とは、「現実に現金を得たとき」ではなく、収入が発生したといえる何らかの客観的基準を採用する考え方をいいます。
したがって、発生主義では、具体的にどの客観的基準を採用するかにより、さらにさまざまな種類があることになります。
たとえば、その一つに収入する権利が確定したときを基準とする権利確定主義があります。
これは発生主義のなかでも厳格な基準です。
所得税法では、この権利確定主義を採用しているものと解されています。
2.現金主義
現金主義とは、ある収入がどの年の収入かを決定するにあたり、現実に収入、つまり、現金を得たときを基準とする考え方です。
いわば、家計簿的な発想です。
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