所得金額―所得の年度帰属―収入の帰属時期―原則―発生主義
発生主義とは 【accrual basis】
発生主義の定義・意味・意義
発生主義とは、ある収入がどの年の収入かを決定するにあたり、「現実に現金を得たとき(=現金主義)」ではなく、収入が発生したといえる何らかの客観的基準を採用する考え方をいいます。
発生主義の分類・種類
発生主義は、具体的にどのような「客観的基準」を採用するかにより、いろいろな種類があることになります。
代表的なものとしては、次のようなものがあります。
発生主義の位置づけ・体系
発生主義は、収入の帰属時期(収入の時期、あるいは収入時期)に関する考え方の一つです。
収入の帰属時期に関する考え方は、大別すると、次の2つの考え方があります。
- 現金主義
- 発生主義
所得税法上では、原則として、現金主義ではなく、発生主義の具体的基準のひとつである権利確定主義が採用されています。
ただし、例外的に現金主義が適用される場合もあります。
なお、会計上も、現金主義と発生主義という考え方があります。
企業会計原則―損益計算書原則―収益・費用の認識基準―種類―現金主義 - 簿記勘定科目一覧表(用語集)
企業会計原則―損益計算書原則―収益・費用の認識基準―種類―発生主義 - 簿記勘定科目一覧表(用語集)
そして、会計上でも発生主義の具体的基準のひとつである実現主義が採用されています。
発生主義の趣旨・目的・機能・役割
所得税法で、原則として、現金主義ではなく、発生主義が採用されているのは、次の2つの理由に基づきます。
- 信用取引の発達への対処…現金以外の支払手段が多様化しているため、現金を得たときを基準にすることは妥当ではない
- 納税者間の公平の確保…現金主義では課税のタイミングを納税者が変更することが容易となるため、妥当ではない
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