所得税額―計算方法―所得税の税率―所得税率
所得税率とは
所得税率の定義・意味・意義
所得税は、利益を効率的に獲得するためのしくみとして考案された法律上の「人」である法人とは異なり、さまざまな事情を抱えた自然人を相手にしています。
そのため、所得分類や所得控除、税額控除など複雑な仕組みが設けられています。
そこで、所得税額を算出するにあたっては、まず所得を10種類に分類し(→所得分類)、その区分された所得ごとに所得金額の計算をします。
そして、各所得金額の損益通算後の合計額(→総所得金額等)を課税標準とします。
所得税額は、この課税標準から所得控除を差し引いた額=課税所得金額に対して所得税率を乗じて算出します。
ただし、税額控除があれば、算出された所得税額からさらに控除額を直接差し引きます。
所得税額=課税所得金額(課税標準-所得控除)×所得税率(所得税の税率)-税額控除
所得税率の仕組み(しくみ)
累進税率
累進税率とは、所得の高い人ほど高い割合で税を負担させるという考え方から、所得と税額が比例せず、所得が増えるにつれて税率が上昇する税率をいいます。
会社の場合は、自然人の場合とは異なり、すべて同じ条件下で経済活動を行っているといえます。
そこで、法人税の税率については、原則として、所得金額の大小にかかわらず一律に30%の固定税率が適用されます。
これを比例税率といいます。
つまり、、個人(サラリーマンや個人事業主等)の場合は、所得が増えれば増えるほど持っていかれる税金が高くなっていきますが、会社の場合は税率が固定で、所得が増えてもそれにしたがって税率が上昇することはないので、個人よりは手元に残るお金は増えていくことになります。
ちなみに、 法人税が比例税率=固定税率であることが、会社を設立するメリットの一つともされています。
会社設立(法人化・法人成り)のメリット - 手続き・申請・届出・内容証明郵便など法律問題その他事務手順
所得税の税率表―所得税の速算表
具体的には、所得税の税率は、分離課税に対するものなどを除くと、課税所得金額に応じて、次のように5%から40%の6段階に区分されています。
[平成23年6月30日時点]
課税所得金額 | 税率※ | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5%(15%) | 0円 |
195万円超 ~ 330万円以下 | 10%(20%) | 97,500円 |
330万円超 ~ 695万円以下 | 20%(30%) | 427,500円 |
695万円超 ~ 900万円以下 | 23%(33%) | 636,000円 |
900万円超 ~ 1800万円以下 | 33%(43%) | 1,536,000円 |
1800万円超 | 40%(50%) | 2,796,000円 |
国税庁ホームページ より引用
※括弧内は、住民税所得割の分も含めた税率。なお、個人の場合は、所得税、住民税以外に、業種により、最高5%の個人事業税がかかります。
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