資産―生活に通常必要でない資産―具体例―自家用自動車(自家用車・マイカー)(サラリーマン・マイカー訴訟)
自家用自動車(自家用車・マイカー)が「生活に通常必要でない資産」に該当するか否かを論ずる実益は大きい。
ならならば、自家用自動車が損失を受けた場合、その車が生活に通常必要でない資産にあたらないと解されるのであれば、損益通算や雑損控除の適用はないからである。
この場合、その損失はそれが災害等(災害・盗難・横領)によるものに限り、譲渡所得の計算上控除するという方法でしか救済されないことになる。
資産損失―対象―具体例―生活に通常必要でない資産の災害等による損失
この論点は、いわゆる「サラリーマン・マイカー訴訟」で問題となった。
同訴訟では、趣味で所有しているスポーツカーやレジャー専用の車は生活に通常必要でない資産に該当することを前提に、主に通勤・業務に使用していたマイカーが「生活に通常必要」か否かが争われた。
控訴審では「本件自動車はその使用の態様よりみて生活に通常必要でない資産に該当するものと解するのが相当である」と判示され、最高裁まで争われたが、棄却され、原告(納税義務者)側の敗訴に終わった。
ただし、現在の課税実務においては、これらの裁判例よりは判断基準がやや緩やかであり、一般的には、通勤や家事に用いる自動車は生活に通常必要と判断する傾向にある
という。
引用元:佐藤英明『スタンダード所得税法』弘文堂、2009年、304頁。
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