事業所得の範囲
事業所得の範囲
事業所得の判断
抽象的・一般的な判断基準―社会通念性
事業所得とは何かについては、所得税法も、これを受けた所得税法施行令も例示列挙しているだけで、明確に定義づけを行っていません。
そこで、判例は事業所得を生じる「事業」といえるかどうかにつき、次のように判示しています。
所得税法上の事業所得を生ずべき事業に該当するかどうかは、その経済活動が、自己の危険と計算において、独立的に、営利性、有償性を有し、かつ、反復継続して営まれる業務であって、社会通念上事業と認められるかどうかにより判断すべき
つまり、事業に該当するかどうかの判断基準は、「社会通念上」事業といえるかどうか、ということです。
判例であげられている営利性とか、反復継続性などは、社会通念性の具体的な判断基準・要素としてあげられていると考えることもできます。
なお、この社会通念性の判断には、申告を行う者(納税者)の主観的認識が大きく影響します。
つまり、申告者がある所得が事業所得と考え、その説明が可能(→説明が可能であれば、社会通念性という要件を満たしている、といえます)であれば、事業所得として申告をすればいいということです。
他の所得類型との具体的な区別基準
事業所得の「事業」に関しては、上記の抽象的・一般的な判断基準に加えて、他の所得類型との具体的な区別基準も押さえておく必要があります。
給与所得との区別
譲渡所得との区別
雑所得との区別
事業の遂行に付随して生じた収入
事業所得の総収入金額には、その事業活動の本来の収入のほかに、事業の遂行に付随して生ずる収入も含まれます。
具体的には、次に掲げる収入も、事業の付随収入として事業所得に含まれます。
- 事業の遂行上取引先又は使用人に対して貸し付けた貸付金の利子
- 事業用資産の購入に伴って景品として受ける金品
- 新聞販売店における折込広告収入
- 浴場業、飲食業等における広告の掲示による収入
- 医師又は歯科医師が、休日、祭日又は夜間に診療等を行うことにより地方公共団体等から支払を受ける委嘱料等
- 事業用固定資産に係る固定資産税を納期前に納付することにより交付を受ける地方税法第365条第2項《固定資産税に係る納期前の納付》に規定する報奨金
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- 事業所得の金額―所得の年度帰属(収入の帰属時期と費用の帰属時期)―例外
- 事業所得の課税関係(課税方法・税額の計算方法・納税方法)―原則―総合課税
- 事業所得の課税関係(課税方法・税額の計算方法・納税方法)―例外―申告分離課税
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