収入金額
収入金額とは
収入金額の定義・意味・意義
所得税法上定められている10種類の各所得の金額は、原則として収入金額から必要経費を控除することで計算されます。
そこで、収入金額とは何かが問題となるのですが、この点、所得税法上は次のように規定されています。
(収入金額)
第三十六条 その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもつて収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする。
つまり、次のようになります。
定義・内容 | ||
---|---|---|
収入金額 | 原則① | その年において収入すべき金額 |
原則② | 金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額 | |
別段の定め | 自家消費の場合、農産物の収穫の場合等(法39~44の2) |
「収入金額」のポイント・注意点
収入金額とは、まず「その年において収入すべき金額」ですが、暦年単位課税を原則とする立場からは「収入の帰属時期」の問題がポイントとなります。
次に、収入金額とは、「金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額」でもありますが、これについては「収入金額の評価」の問題がポイントとなります。
- その年において収入すべき金額 → 収入の帰属時期の問題(=いつの年の収入とするか?)
- 金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額 → 収入金額の評価の問題(=物又は権利による収入金額の計算の仕方は?)
収入の帰属時期
原則―発生主義
「その年において収入すべき金額」とは、簿記会計でいう発生主義(正確には実現主義)の考え方にほぼ相当し、現実に受け取った収入(前受金等は除かれる。)のほか、未収の収入(時価ではないことに注意)も含まれます。
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例外―現金主義
利子所得及び配当所得のうちには、支払を受けた金額によるものがあります。
これは徴税上の便宜によるものであって、簿記会計上の現金主義の考え方に相当します(法36③)。
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また、事業所得については、小規模事業者は、現金主義(現金基準)により、所得金額を計算できる特例が認められています。
収入金額と総収入金額との違い
利子所得、配当所得、給与所得、退職所得、公的年金等に係る雑所得については、その収益の内容が比較的単純なので、「収入金額」という用語が用いられています。
不動産取得、事業所得、山林所得、譲渡所得、雑所得(公的年金等を除く雑所得)、一時所得については、その収益の内容が副収入や付随収入などを伴って複雑な場合が多いことから、 「総収入金額」という用語が用いられています。
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