雑所得―具体例―年金―公的年金等
公的年金等とは
公的年金等の定義・意味・意義
- 国民年金法、厚生年金保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、独立行政法人、農業者年金基金法の規定に基づく年金
- 確定給付企業年金法の規定などに基づいて支給される年金
- 恩給(一時恩給を除く)や過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金
公的年金等の具体例
1.国民年金法・厚生年金保険法・国家公務員共済組合法・地方公務員等共済組合法などの規定に基づく年金
2.確定給付企業年金法の規定などに基づいて支給される年金
3.恩給や過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金
公的年金等の範囲
次の年金は、公的年金等に含まれません。
公的年金等の特色・特徴
公的年金等は、雑所得として所得税がかかりますが、通常の雑所得とは異なった取り扱いがされています。
公的年金等の所得税法等税制上の取扱い
公的年金等に係る雑所得の金額
公的年金等に係る雑所得の金額は、通常の雑所得より、税制上優遇されています。
一般に、年金にかかる所得税の計算は、年金収入から必要経費を差し引いて所得金額を求めます。
この点、公的年金の場合は、1年間の公的年金等の収入金額から、公的年金の場合の必要経費にあたる公的年金等控除額を控除した残額となります。
公的年金等に係る雑所得の金額=公的年金等の収入金額-公的年金等控除額
公的年金等控除額
公的年金等控除額は、受給者の年齢や公的年金等の収入金額に応じています
平成22年4月1日現在で、65歳未満では最低70万円、65歳以上では最低120万円です。
したがって、これ以下の年金収入であれば、雑所得の金額はゼロになります。
公的年金等の課税方法
源泉徴収
公的年金等にかかる所得税については、サラリーマンなどと同じように、原則として源泉徴収制度が採用されています。
ただし、源泉徴収の方法についても、公的年金等の性質に即した仕組みとなっています。
たとえば、公的年金等のうち、国民年金、厚生年金、共済年金や恩給については、それが老後の生活の原資であることなどを考慮して、65歳未満は年金額が108万円未満の場合、65歳以上は年金額が178万円未満の場合、源泉徴収はされません。
源泉徴収が免除されているということであって、所得税が免除されているわけではありません。
年末調整
公的年金等の受給者は、年末調整は行わないこととされています。
確定申告
退職して年金生活に入った年金受給者も確定申告をする必要があります。
また、源泉徴収されている人も、サラリーマンのように年末調整は行われないので、源泉徴収された税額とその年に納付すべき税額との差額については、確定申告で精算することになります。
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