収入金額の評価―算入―別段の定めにより収入金額とされるもの―たな卸資産等―自家消費(家事消費)
自家消費とは
自家消費の定義・意味など
自家消費(じかしょうひ)とは、商品などの棚卸資産等を家事のために(事業のためではなく個人用途で)消費することをいう。
自家消費の別名・別称・通称など
自家消費は家事消費(かじしょうひ)ともいう。
自家消費の所得税法上の取り扱い
総収入金額への算入
自家消費は、「収入」とみなされる。
つまり、商品などの棚卸資産等を自家消費した場合は、事業所得等の金額の計算上、総収入金額に算入する必要がある。
また、一括償却資産の特例を受けた減価償却資産についても、これを自家消費した場合には、準棚卸資産として、「収入」となる。
所得税法
(たな卸資産等の自家消費の場合の総収入金額算入)
第三十九条 居住者がたな卸資産(これに準ずる資産として政令で定めるものを含む。)を家事のために消費した場合又は山林を伐採して家事のために消費した場合には、その消費した時におけるこれらの資産の価額に相当する金額は、その者のその消費した日の属する年分の事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
たとえば、自分の店の商品を自分の家庭用として使用した場合、外からの経済的利益の流入はないので、原則としては、所得税法36条にいうところの収入金額は生じていない。
しかし、お店の商品の年末の棚卸高は家庭用に使用した分だけ減少するので、この分の原価も自動的に売上原価に算入されることになる。
そこで、たな卸資産等を家事のために消費した場合には、例外的に収入金額とする。
総収入金額に算入する金額
(原則)
総収入金額へ算入する金額は、原則として、その棚卸資産等を自家消費したときの通常の販売価額となる。
(例外)
特例として、仕入価額で記帳している場合は、棚卸資産の取得価額(つまり、仕入価額)と販売価額の70%相当額のいずれか多い金額によることが認められている。
ただし、準棚卸資産には、このいわゆる「70%基準」の適用はない。
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