損益通算―損益通算の方法―損益通算の順序
損益通算の順序
損益通算とは、その年中の各種所得の金額の計算上「不動産所得、事業所得、山林所得及び譲渡所得」の金額に損失(赤字)が生じた場合、この損失額を他の黒字の各種所得の金額から控除することをいいますが、控除する順序については決まりがあり、政令(所得税法施行令)で定められています。
なぜならば、ある所得金額に生じた損失をどの所得金額から控除するかによって、課税標準(総所得金額など)が異なってくるからです。
かなり技術的な規定となりますが、総所得金額を、経常的に発生する所得(以下「経常グル-プ」)と、臨時的に発生する所得((以下「臨時グル-プ」))の二つのグル-プに区分したうえ、以下のとおり、第1次通算、第2次通算、第3次通算の順序で通算していきます。
1.第1次通算
(1) 経常グル-プ内での損益通算
不動産所得の金額、または事業所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、これをまず他の利子所得の金額、配当所得の金額、不動産所得の金額、事業所得の金額、給与所得の金額、雑所得の金額から控除します。
(2) 臨時グル-プ内での損益通算
譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、これをまず一時所得の金額(2分の1前の金額)から控除します。
2.第2次通算
(1) 経常グル-プ内での損益通算で赤字になった場合
1(1)によってもなお控除しきれない損失の金額があるときは、これを臨時グループの金額(1(2)の控除後の金額)から順次控除します。
この場合において、譲渡所得の金額のうちに、短期譲渡所得と長期譲渡所得とがあるときは、短期譲渡所得の金額からまず控除します。
(2) 臨時グル-プ内での損益通算で赤字になった場合
1(2)によってもなお控除しきれない損失の金額があるときは、 これを経常グループ(1(1)の控除後の金額)から控除します。
3.第3次通算
2によってもなお控除しきれない損失の金額があるときは、これをまず山林所得の金額から控除し、なお控除しきれない損失の金額があるときは、退職所得の金額から控除します。
4.第4次通算
山林所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、これをまず経常グループ(1(1)または2(2)の控除後の金額)から控除し、なお控除しきれない損失の金額があるときは、臨時グループ(1(2)または2(1)の控除後の金額)から順次控除し、なお控除しきれない損失の金額があるときは、退職所得の金額(3の控除後の金額)から控除します。
以上の順序にしたがって損益通算を行った結果、なお控除しきれない損失の金額がある場合については次のページを参照してください。
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