譲渡所得の金額―原則―各論―①総合課税の譲渡所得
総合課税の譲渡所得の算定・算出・計算方法
基本
総合課税の譲渡所得の金額は、基本的には次の計算式により算定します。
総合課税の譲渡所得の金額=総収入金額-(取得費+譲渡費用)-生活に通常必要でない資産の災害等による損失の金額-譲渡所得の特別控除額
詳細
以下、総合課税の譲渡所得の金額の計算順序、計算方法を詳しく見ていきます。
1.短期譲渡所得と長期譲渡所得の2つのグル-プに区分して各々の譲渡益を算出する
まず、譲渡所得を短期譲渡所得と長期譲渡所得の2つのグル-プに区分します。
そして、それぞれのグル-プで、その年中の当該所得に係る総収入金額から、その所得の基因となった資産の取得費とその資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除します。
これを譲渡益といいます。
短期譲渡所得の譲渡益=短期譲渡所得の総収入金額-(取得費+譲渡費用)
長期譲渡所得の譲渡益=長期譲渡所得の総収入金額-(取得費+譲渡費用)
2.内部通算をする
譲渡益の算出においては、譲渡所得の金額の計算に特有の処理である内部通算を行います。
内部通算の詳細については、次のページを参照してください。
3.生活に通常必要でない資産の災害等による損失の金額を控除する
総合課税のものについては、内部通算後の譲渡益から、災害・盗難・横領により、生活に通常必要でない資産について受けた損失の金額を、①総合短期譲渡所得②総合長期譲渡所得の順序により、控除します。
なお、控除しきれなかった損失の金額は、その翌年分の譲渡所得の金額の計算で控除することになります。
短期譲渡所得の金額=短期譲渡所得の譲渡益-生活に通常必要でない資産の災害等による損失の金額
長期譲渡所得の金額=長期譲渡所得の譲渡益-生活に通常必要でない資産の災害等による損失の金額
※生活に通常必要でない資産に係る損失については、次のページを参照してください。
4.譲渡所得の特別控除額を控除する
総合課税のものについては、さらに内部通算後の譲渡益(生活に通常必要でない資産の災害等による損失の金額がある場合には、これを控除した後の金額)から、譲渡所得の特別控除額を控除して、短期・長期それぞれの譲渡所得の金額を算出します。
※分離課税の譲渡益からは控除しません。
特別控除額は、50万円の範囲内で、まず総合短期譲渡所得の譲渡益から控除します。
そして、控除してもなお控除不足分があるときは、これを総合長期譲渡所得の譲渡益から控除します。
- 譲渡益が50万円未満の場合…その譲渡益の金額
- 譲渡益が50万円以上の場合…50万円
長期譲渡所得の金額=長期譲渡所得の譲渡益-特別控除額の控除不足分
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