譲渡所得の課税関係(課税方法・税額の計算方法・納税方法)―③株式等の分離課税の譲渡所得
はじめに
しかし、株式などの有価証券を譲渡したことによる所得については、特別措置により、例外的に、総合課税の対象とはされず、分離課税とされています。
原則として申告分離課税に一本化されていますが、例外として特定口座という制度も設けられています。
株式など分離課税の対象となる譲渡所得の課税関係
1.課税方法
原則―申告分離課税方式
株式等の譲渡所得は 、原則として申告分離課税の対象とされます。
総合課税と分離課税―分離課税―申告分離課税―株式等の譲渡による所得
その譲渡所得の金額は、「株式等に係る譲渡所得等の金額」という課税標準として、他の所得と区分して、税額を計算します。
例外―特定口座
株式等の譲渡所得への課税方法が申告分離課税に一本化されたことを受け、確定申告に慣れていない個人投資家の事務負担を軽減することを目的として、平成15年1月1日から特定口座の制度が設けられています。
特定口座とは、証券会社が税金を源泉徴収してくれることにより、投資家が確定申告をしなくもよい口座をいいます。
この特定口座は、さらに源泉徴収ありの特定口座と源泉徴収なしの特定口座とに分類されます。
このうち、源泉徴収ありの特定口座(申告不要の制度)を選択した場合は、実質的には源泉分離課税となります。
詳細については、次のページを参照してください。
総合課税と分離課税―分離課税―申告分離課税―株式等の譲渡による所得―例外―特定口座
2.税額の計算方法
税額は20%(所得税15% 住民税5%)の税率を一律に適用して算出します。
3.納税・納付の仕方
原則―申告分離課税方式の場合
確定申告
確定申告の具体事例―株式投資―概要・全体像①―税金の種類と納税方法
例外―特定口座
源泉徴収ありの特定口座
源泉徴収ありの特定口座を選択した場合は、証券会社が税金を源泉徴収して税務署に納めてくれます。
この場合、確定申告はすることができません。
源泉徴収なしの特定口座
源泉徴収なしの特定口座を選択した場合は、年間の利益が20万円を越えると、自分で確定申告をする必要があります。
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