［税金］所得税法・法人税法等

譲渡所得の分類

譲渡所得の分類・種類・区分

譲渡所得は、次の種類に分類されます。

対象となる資産	課税方式	保有期間	分類名称	税率
土地建物等・ 株式等以外の資産	総合課税	５年以下	総合短期譲渡所得	超過累進税率
		５年超	総合長期譲渡所得
土地建物等	申告分離課税	５年以下	土地建物等の分離短期譲渡所得	３０％（住民税含む）
		５年超	土地建物等の分離長期譲渡所得	１５％（住民税含む）
株式等		―	株式等の譲渡所得	１５％（住民税含む）

総合課税の対象となる譲渡所得

土地や建物などの不動産・株式などの有価証券以外の資産を譲渡したことによる所得は、総合課税の対象となります。

総合課税の対象となる譲渡所得については、その金額を事業所得や給与所得などの他の所得の金額と合計し、一般の累進税率によって税額を計算することになります。

これは譲渡した資産の保有期間に応じて、さらに次の２つの種類に分類されます。

• 総合短期譲渡所得
• 総合長期譲渡所得

分離課税の対象となる譲渡所得

分離課税の対象となる譲渡所得については、事業所得や給与所得などの他の所得の金額とは別に、租税特別措置法に規定された税率によって税額を計算することになります。

土地建物等の分離短期譲渡所得・長期譲渡所得

土地等（土地の上に存する権利を含む）および建物等（建物の附属設備・構築物を含む）の譲渡所得で、次のものをいいます。

• 短期譲渡所得…その年一月一日において所有期間が五年以下の土地建物等の譲渡所得
• 長期譲渡所得…短期譲渡以外の譲渡所得

株式等の譲渡所得

株式等の譲渡所得に含まれるもの（該当するもの）

• 株式
• 合名会社・合資会社・合同会社の出資者の持分その他法人の出資者の持分
• 新株予約権付社債
• 共同組織金融機関の優先出資および特定目的会社の優先出資
• 株式等証券投資信託および非公社債等投資信託の受益証券
• 特定目的信託の受益証券（社債的受益証券を除く）

株式等の譲渡所得に含まれないもの（該当しないもの）

• 土地建物等の短期譲渡所得の対象となる株式等→土地建物等の短期譲渡所得
• ゴルフクラブの会員となるための要件とされている株式等→総合課税の譲渡所得
• 先物取引の差金等決済に係る株式→先物取引に係る雑所得等

譲渡所得を分類する趣旨・目的

保有期間で分類する趣旨・目的

資産の保有期間で譲渡所得を区別するのは、長期間にわたり保有していた資産を譲渡することで発生した資産の増加価値は、その資産の譲渡により一時に実現するという性格をもっているので、税率の適用に際しては、特にこれを緩和する措置が必要だからです。

そこで、総合長期譲渡所得については、一時所得の場合と同様、その額の１／２のみを課税するという２分の１総合課税方式が採用されています。

課税方式で分類する趣旨・目的

「一定の譲渡所得が分離課税の対象とされている理由は、譲渡所得が経常的な所得とは異なり、その実現のタイミングを選択することが可能であることから、損益通算による租税回避に用いられ易いこと」にあるとされています。

『譲渡所得 - Wikipedia』より